どちらも好きな縁起物
ここで日本と外国の貯金箱を比較してみますと、第一にどちらも縁起物が多いという点が似ています。日本については先に紹介しましたが、外国では古くは金の卵を生むニワトリ、勤勉な蜜蜂と蜂の巣、幸運を呼ぶてんとう虫、慎重な亀、かしこい象など、多彩です。とくに、豚はニワトリとともに古くから貯金箱に使われました。これは多産、謙虚さ、有用性などから幸運のシンボルとされたほか、村民がお金を出し合い、貧しい人のために豚を買ったという「アントニウスの豚」のお話しに由来しているという説があります。

日本のものは割って取り出すタイプが多い
2つ目は、欧米のものは鍵つきが多く、お金が一杯にならなくても、鍵をあけさえすれば、必要に応じて使えます。これに対して日本のものは割らないとお金が取り出せないものが多く、一杯に満たすことを心掛けさせ、一杯になっても割るということに、心理的な抵抗を感じさせてしまいます。ただ、ひたすら貯める、というのが特徴です。これは日本の貯金箱が「貯める」器として登場したのにくらべ、西欧のものは「献金」の器としてあらわれたという文化の違いによるものかもしれません。

硬貨を入れる穴が違う
3つ目の特徴は硬貨を入れる穴のあけ方の違いです。例えば、外国の人形の貯金箱で頭のてっぺんをタテに割ってコインの投入口を作ったものがあります。日本のものにはこのようなドライな穴のあけ方は、まず無いといっていいでしょう。日本のものは、できるだけ頭を割ることをさけ、背中や肩などに硬貨の投入口を設けていることが多く日本人らしい優しさがみられます。

時代を反映
4つ目はどの国の貯金箱も時代の意識や生活感情をよく反映しているということです。貯金箱をみていると、世界各地の流行がよくわかります。



貯金箱を素材の面からみると、最も古いものは土で、その後、文明の発達とともに焼物、青銅、鉄、金、銀、銅、その他の金属が使われます。もちろん、木や紙も用いられ、アジアでは竹も仲間入りします。その他では皮、ガラス、石膏、ゴム、コルク、珍しいものではヤシの実やその他の果実、布、毛糸、などもあります。最近はもっぱらプラスチック類全盛の感があります。