貯金箱いろいろ
(日本と外国の貴重な貯金箱)

貯金箱博物館が所蔵する代表的な貯金箱をご紹介します。

歴史資料的にも芸術的にも貴重な貯金箱の一部を解説付きでご紹介します。

宝珠(ほうじゅ)貯金玉(明治・土製) 明治のはじめ、浅草の今戸焼土人形の一種として生まれました。如意宝珠といわれ、願望成就の珠、意のままに望みをかなえるといった縁起の良い玉。大きな目的のために小銭を少しずつ貯める器として最初に作られ、縁起物貯金箱の代表的なものです。
古代犬(明治 伏見土人形) 犬が家畜として人間とかかわりをもつようになったのは一万年ほどの昔といわれています。外国では、牧畜犬、極北の地のソリ犬、アルプスの山岳救助犬として活躍。日本では古くから狛犬、犬神など守り神としてまつられてきました。犬と人間との関わり方をモチーフにした犬の貯金箱は多数作られました。
鯛抱きえびす(大正 土製 伏見人形) 明治時代から大正時代にかけて、土人形に銭入り口をつけて作られた貯金玉のひとつ。えびす大黒は開運招福の縁起物貯金箱として数多くデザインされました。これは、京都伏見で焼かれたえびす貯金箱。からだより大きな鯛を抱えたユーモラスな格好。鯛の口がお金の入口になっています。当時の貯金箱には取出口がなく、貯金箱を壊してお金を取り出します。
蔵(明治時代 伏見・土製)昔は、現在のように安心してお金を預けられる金融機関がなかったので、お金や大切な家財は、みんな蔵に納められていました。財宝増殖のえんぎもの貯金箱として蔵がよく使われたのは、こうした昔の生活態度を反映しているとともに、蔵のひとつも持ちたいという庶民の願いがこめられているのだと思われます。
洋梨型貯金箱(現代 イタリア 土製)2〜3世紀の古代ローマ時代の遺跡から、この形の土の小片や貯金箱が多く見つかっています。現代では西洋梨に似ているので洋梨型貯金箱と呼ばれています。ヨーロッパの貯金箱の伝統的な形として彩色され、この形の変形したものが現在でも多く作られています。豊穣と出産を象徴するところから、女性の乳房をかたどっているとも言われています。
ジョッキ形貯金箱(19世紀 ドイツ)18世紀初めから鉄・真鋳・銀など、金属を素材とした形はビールのジョッキ型のものが多く作られました。この時代のものはすでに南京錠が取り付けられ、中身を守る工夫も進んでいます。高価な銀製のものは宮廷貴族間の贈り物として使われ、献辞、年号、寄贈者を刻まさていることが多くありました。
ローゼンタールの揺り木馬(1970年・ドイツ・陶器)欧州の美術工芸品の貯金箱のひとつ。18世紀にはデルフト製美術品の洋梨型貯金箱があります。さらに、金属工芸品の優れた貯金箱としては、中世のシリンダー型、18世紀には銀製のジョッキ型などがあります。特に中世のものはルーブルなど欧州の美術館が収蔵しています。この揺り木馬は、ローゼンタールの総ての作品と同様、デザイン技術に厳しい審査を通った現代の作品です。
アンティークカー(アメリカ・19世紀・鉄製)19世紀〜20世紀初めヨーロッパやアメリカでは、みごとな細工が施された金属工芸品の貯金箱が数多く作られました。人物や動物、建物、乗り物など多種多様。焼き物の貯金箱が中心であった日本の貯金箱とは違った、置物を兼ねた貯金箱が多く作られました。
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